見た目も大事

見た目も大事

食べるのが好きだから、当然外食も好きだ。

なじみの店もいくつかあるし、しばらくご無沙汰はしているが「寿司ならあそこ」「天ぷらならここ」「イタリアンはどこそこ」というわが家の決まり手もある。

しかし、どこかに出かけたおりに「今日は外で食べようか」ということもよくある。

またたまには「新しい店にチャレンジしようか」というときもある。二十歳になる息子など、そういうときはさっとスマホを手にとってあっという間に今いる場所近くの「おすすめの店」など検索してくれる。

それはそれでいいのだが、私はあまりネットの口コミをアテにはしていない。検索して、例えば店の規模とか値段帯を確認できるのはありがたいが、「その店に入るかどうか」を決めるのは自分自身の直感である。

その直感は、たいてい、店の前に立ったときにわかる。

店全体が醸し出す雰囲気、たたずまいをまず見る。そこでちょっとでも「なんかな…」と疑問符がついた店はまず大抵、ダメだ。ちなみにこれはまずいという決定打ではない。うまいまずいは正直、食べる側の主観に頼るものだし、私がまずいと思っても他人にはおいしいというものはたくさんある。

しかし、とにかく、店の前の感じがあわなければ即却下である。

そしてプラス、大事なのは店の前などにおいてあるお品書きの印象である。お値段の問題も常にあるが、それ以上に献立の種類や並び方、その名称などをじっくりと眺める。

たとえば私はイタリアンとか創作和食などで「なんとか豚のロースト五月の香りソース」などというちょっとコジャレタ、いや、なんか洒落すぎた名前がついていると一気に萎える。

普通に「豚のロースト」でいい。

逆にお品書きが手書きっぽくて、場合によっては「枝豆」の上に朱色の線が引かれて「品切れ」なんて書かれているのはいい。

手書きのお品書きは、字がうまいということではなく、その字に「味がある」というのか、一生懸命で端正さが出ているとよい。

妙に個性を出そうと書道家みたいな凝った文字で書かれていると、微妙に気持ちが引く。

そして最後の暖簾なり看板なりを見上げる。

暖簾の汚いところは嫌だし、パリッと糊のきいた暖簾がかかっていると安心する。照明がひとつ消えていたり、看板が欠けていたりすると嫌だが、ぴかぴかに磨かれていると「ヨシ、いいじゃないか」と思う。

食べる場所は本来中身で勝負ではある。でも、人間と同じく、見た目も大事。第一印象もとても大事。

出会いを求めているたたずまいのある店に、私は入りたい。

新型ワゴンRスティングレー

クレーマーという趣味

私が勤める会社には本社と管轄店舗があり、20近くある店舗の一つをメインにして働いています。主に経理関係の仕事をしているので、営業的な仕事はしません。

店舗には様々なお客さまが来店されるのですが、いいお客様もいれば嫌なお客様もいます。もちろんそれは、私たちからみればという話になりますが。

いいお客様というのは何事も問題が起きることなく最後までお付き合いのできる方。嫌なお客様とはずばり、クレーマーです。

モンスターペアレントやモンスターペイシェントという言葉がすっかり定着した現在。実際にそれで悩みを抱えている人たちは多いことでしょう。日本も様変わりしました。

文句を言うのはタダ。言わなければ損だ、という風に考える人が増えているのです。自己の主張が100%正しいという前提で話を進めようとする人も多いですね。

折り合いをつけるとか、妥協するとか、丸く収めるという概念はその人種にはないようです。

先日もプンプンお怒りになったお客様という名の怪物がご来店されました。椅子にドンと座り、大仰なものの言い方をします。ベラベラと言いたいことだけをまくしたてます。

そして最後は「どうやって誠意をみせてくれるんだ」となるわけです。こちらからすれば「お客様の誠意はどちらへいったんですか?」という感じですが。

まあそんなことは言いませんし、ハイハイと聞いているだけなんでしょうが、無関係な私が聞いていてもその言い分に腹が立つことが多いですね。

言いたいこともわかるけれど、なんて一方的なことばかり言っているんだろうこの人は、という感じです。そこにいる人みんな、そう思っています。

でも誰も言いませんし、いえませんし、話を聞くだけ。そしてみんなが嫌な気持ちになり、何も解決しないまま怒ったままのクレーマーは帰っていくのです。

クレーマーというのはある種、趣味だと思っています。暇でなければそんなことはしないと思うのです。

それが本来の日本人というか、怒りはしてもある程度は水に流して穏便に、という国民性でした。それが様変わりしつつあるようですね。とても嫌なことです。

日本人として生まれて、我ながら頼りないなあと思うこともありますが、恥を知るという文化はとても誇れるものだと思っていました。ところが、恥を知らない人が増えています。

しかも大人にです。これでは子供世代は散々な結果になっていることでしょう。今から憂鬱ですね。